第167章の説明

そのころデイヴィッドは、消毒薬の匂いが染みついた病院の廊下を出たところで、冷たい夜気の中へ足を踏み出した。

秋の冷え込みがたちまち彼を包み、薄いシャツ越しに容赦なく刺さってきたが、本人はまるで気づいていないかのようだった。

頭の中には、チェイスの不自然なほど静かな目と、「ほかに友だち、いないんだ」という言葉と、「父さんはいない」という話を軽く口にしたとき、何気ない口調の底に滲んだ紛れもない喪失感が、まだぎっしり詰まっていた。

胸の奥に沈む鈍い痛みは、外へ出ても引かなかった。むしろ、いっそう輪郭を濃くしていく。

車のドアを引き開けて乗り込んだものの、すぐにはエンジンをかけなかった。ただ両...

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